熊本地震、断層の未破壊区間調査 九大など、将来の発生に備え


 九州大を中心とした研究グループが、熊本地震を引き起こした日奈久(ひなぐ)、布田川(ふたがわ)両断層帯のうち、ひずみが解放されずエネルギーが蓄積したままとみられる「未破壊区間」の調査に着手した。海底を掘削するなどして活断層の状態を探り、次の大規模地震に備える。成果を地域防災計画にいち早く反映させるため、自治体との連携も強化する。

 九大の清水洋教授(地震学)を代表とし、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)、鹿児島大、熊本大、京都大の研究者が今月から調査に入った。期間は2018年度まで。文部科学省が研究費として約3億円を支出する。

 両断層帯はそれぞれ3区間に分けて活動頻度などが調査されてきた。このうち熊本地震の前震で日奈久断層帯の「高野-白旗」区間、本震で布田川断層帯の「布田川」区間が大きく動き、震度7が連発した。

 未破壊区間の中では、日奈久断層帯の「日奈久」と「八代海」の地震発生確率が熊本地震の前から、国の活断層長期評価で全国上位だった。隣接する「高野-白旗」が破壊されたため、清水教授は「さらに地震が起きやすい力が加わった」と分析。調査では、八代海の海底ボーリングも来年1月から実施する。

 布田川断層帯で未破壊の「宇土」区間は、地形から推測されるだけで地表に現れた断層は見つかっておらず、場所や地下構造の正確な把握が遅れている。この区間では、人工的に揺れを発生させて地層の特徴を捉える地震探査を、同2月をめどに実施し、詳しく調べるという。

 調査結果は随時、関係自治体に情報提供していく方針。文科省は一連の調査を踏まえ、30年以内の地震発生確率などを再評価する見込み。清水教授は「未破壊区間は熊本市や八代市など人口が多い地域に近い。地元の協力を得ながら調査を進め、防災に反映させたい」と話している。

=2016/12/25付 西日本新聞朝刊=

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